わ行
ワイブル分布(ワイブルぶんぷ、Weibull distribution)
物体の強度を統計的に記述するためにW.ワイブル(Waloddi Weibull)によって提案された確率分布。時間に対する劣化現象や寿命を統計的に記述するためにも利用される。
ワイブル分布は、物体の体積と強度との関係を定量的に記述するための確率分布として1939年に提案された。一般には、鎖を引っ張る場合において最も弱い輪が破壊することにより鎖全体が破壊したとするモデル(最弱リンクモデル)として理解されている。
物体の脆性破壊に対する強度を統計的に記述する場合などに広く利用されている。ワイブル係数mは物体を構成する材料の種類によって決まる。一般にmが大きい材料は強度のばらつきが小さく、設計において安全性を確保することが容易になる。
一方、部品に対して応力、電圧、温度などの負荷が継続的に加えられる場合の故障現象に対しても応用できる。最弱リンクモデルの応力を時間に置き換えれば、部品において寿命が最も短い部分が故障することによって部品全体が故障したとするモデルとなる。1960年代以降、部品の劣化現象や寿命を統計的に記述するために広く利用されるようになった。