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医療統計学:ら行
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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リスク
リスク (英: risk)とは、一般的には、「ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」と理解されているが、工学や経済学などの分野によって定義はさまざまである。
日本語ではハザード (英: hazard) とともに「危険性」などと訳されることもあるが、ハザードは潜在的に危険の原因となりうるものを指し、リスクは実際にそれが起こって現実の危険となる可能性を組み合わせた概念である。ハザードがあるとしてもそれがまず起こりえない場合のリスクは低く、一方確率は低くても起こった場合の結果が甚大であれば、リスクは高い。
概説
経済産業省「先進企業から学ぶ事業リスクマネジメント 実践テキスト」[1]によれば、リスクの定義は以下の3つの観点で分類できるとしている。
プラスの影響、マイナスの影響どちら も与えるものである。財務関連のリスクや戦略リスクなど、 一つの行為がプラス・マイナス両方の結果を生む可能性のあるものが対象である場合考えやすい定義。
リスクとは「組織の収益や損失に影響を与える不確実性」
マイナスに影響をするもののみを言い、 プラスの影響は視野に入れない。いわゆるハザード関連のリスクに使わ れる定義であり、従来より広く使われている。 ただしリターンを増大させるために積極的にリスクテイクする、といった活動に結びつきにくいきらいがある
リスクとは「危害の発生確率及びその危害の程度の組合せ。」
リスクとは「ある事象生起の確からしさと、それによる負の結果の組合せ」
マイナスに影響をするもののみを言い、 プラスに影響するものに別の名前(「機会」など)をつける。従来のマイナス方向の影響のみという定義を踏襲しつつ、同時にプラスの影響についても視野に入れ、双方をコントロールすることを前提
語義
経済学上のリスク
経済学においては一般的に、リスクは「ある事象の変動に関する不確実性」を指し、リスク判断に結果は組み込まれない。例えば、ビルの屋上の端に立つのは危険であるが、まだ転落するか無事であるかは分からない。この状態はかなり不確実でリスクが高い。しかし、一旦転落すれば十中八九命がないとすれば、転落直後にリスクが低下することになる。
リスクの概念は、経済学の中でも金融理論においてよく用いられる。投資において、将来の収益が必ずしも確実といえない投資手段があるためである。投資におけるリスクは、分散投資を行うことによって低減させることが可能である。株式投資を例に取ると、単一銘柄に投資を行っている場合、その企業の持つ固有リスクのために、期待される収益を得るに当たっての不確実性が高い。しかし、投資先を分散することによって企業固有のリスクを和らげることができる。投資先を可能な限り分散し、固有リスクを分散することによって、投資によるリスクは市場リスクに近づけることができる。株式投資の例に戻ると、市場リスクとは、例えばTOPIXのような市場平均を指す。
利得がある不確実性をアップサイドリスク、損失する不確実性をダウンサイドリスクと呼ぶ。
リスクが高いものは損失と利得の度合いが期待リターンに対して高くなる。また期待リターンの大きいものは一般にリスクも大きい。それゆえ期待リターンの高いものは元本の減るリスクが高まる。そのため、高い利得を得たい者は、損失する可能性を覚悟しなくてはならない。金融工学はここに目をつけ、統計学などを利用することで、リスクを扱いやすくすることを目指している。
主なリスクの種類として、価格変動リスク、デフォルトリスク、流動性リスク、インフレリスク等があげられる。
物のリスク
物のリスクは、物(物質と物品)にかかわって、その周辺物(人、生態、有形財産)が実際に被る可能性がある悪影響の大きさを示し、必ずマイナス・イメージである。プラス・イメージについてあわせて議論するときにはベネフィットという語とともに使われる。
リスク概念は「安全」概念の定義と結びつけてはじめてその概念と背景にある思想が理解できる:
安全とは、「許容できないリスクがないこと」[4][5]
この背景には、リスク・ゼロ追求は現実的な安全追求の姿勢でないという反省がある。
物の不適切な取扱いの結果、周りに、その物固有の危険性が影響を及ぼして、悪い事象(危害、損傷、損害等)が出現した時、リスクが現実となってしまうことがありうる。ここで物は物質又は物品の場合がある。また、周りとして、人、生態、有形財産の場合がある。この周りの一つとして社会を考える場合もある。ここでの危険性には、いわゆる(狭義の)危険性と有害性の両方を含むため、これをはっきりさせるために危険有害性という用語が使われる場合も多くある(英語のen:hazardが元であるので、ハザードというカタカナ表記も使われる。)。
つまり、物のリスク評価(risk assessment)を実施するときには、
1a 物固有の危険性を特定し、その程度を評価し(危険性評価、hazard assessment)、
1b その物が取り扱われている(取扱い)状態を特定し、その周り(人、生態、有形財産等)との接触(暴露等)の頻度、範囲、量等を評価し(暴露評価、exposure assessment)、
2 その組み合わせで実際に悪い事象の出現する可能性とその大きさを見積もり、その結果が不当に大きいかどうかを判断する(リスク判定、risk characterisation)
ことになる。
工学上のリスク
工学においては、リスク (risk) とは、一般的に「ある事象生起の確からしさと、それによる負の結果の組合せ」をいう(JIS Z 8115「ディペンダビリティ(信頼性)用語」)。この場合、リスクの対象は限定されない。
一例として人体もしくは財産等に対するリスクに危害リスク (risk of harm) といった危害発生の確からしさ、危害の厳しさの1つの組合せなどのリスクがあり、リスクには事象が顕在化することから好ましくない影響ごとが発生されること、その事象がいつ顕在化するかが明らかではない発生不確定性があるという性質が含まれる。
システムにおけるリスク
システムにおけるリスクは、経済学と違いより良い結果が出ることはリスクとならない。損失の可能性があるものだけがリスクとみなされる。その意味では不確実性ではなく、確実な危険性といえる。