医療統計学がわかりにくい理由

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医療統計学がわかりにくい理由

 

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医療統計学がわかりにくい理由

 

医療統計学、統計学は一般にわかりにくい学問とされています。苦手意識をもつ人が非常に多いです。この理由について少し掘り下げてみます。

 

 

@医療従事者は生物系が多く理数系が少ない

 

医療従事者の多くは、一般に数学とか物理とかの理数系よりは、むしろ生物とかいわゆる“なまもの”を扱う学科の方が好きな人が多い傾向があります。

 

生命を扱う職業なのでこれはある意味当然のことです。統計学は、そもそも理数系の学問ですので専攻する人はそれなりに統計学が好きだったり、線形代数の素養などを既に持っていたりする人です。

 

看護学、薬学、医学などの分野への進学を希望する人とは、そもそも趣向が異なるのはもっともなことです。また、生物、生命というのは理数系の論理展開では説明できないような不可解なシステムであり、こうした点も理数系とは一線を画しているといえます。

 

 

A数理統計学の本に手を出してしまう

 

統計学の初心者が陥りやすい間違いとして、数理統計学の本から統計学を勉強しようとする点があります。

 

数理統計学の本を書く人は、統計学の専門家・統計学者であり、統計学の理論に関してはプロフェッショナルです。

 

統計学者の職務は統計学の新しい理論を考案することです。

 

当然ながら複雑な数式の考案とそれを裏付けるためのプログラミング、モデリング/シミュレーションといったといったプロセスを踏むため、素人が分からないのは当然なのです。

 

また、統計学者は研究者であり研究業績が評価されるので、学生に分かりやすい説明ができたところで教授になりやすくなる、といったことがない。その暇があったら自身の研究に力を入れた方がいい、そういった評価システム上の問題もあります。

 

したがって、初心者は数理統計学の本には手を出さない方がいいのですが、世の中の統計本は数理統計学の本の方が圧倒的に多いため、手を出してしまうのも仕方ないわけです。

 

 

B統計学の独特の理論展開に慣れていない

 

たとえば、コインを投げて表裏の出る確率はいずれも理論的にはちょうど0.5であるというのはきわめて簡単で分かりやすいです。それは0.499などの値には決してなりません。

 

しかし、統計学は実践の学問ですので、実際にコインを投げてデータを収集します。すると、100回投げた場合表裏がちょうど50回ずつにはなりません、むしろそうならないことの方が多いのです。つまり実際の世界には、「誤差」を伴うのです。

 

100%真実の数学を習ってきた私たちとっては、こうした「誤差」という考え方自体がなじみにくいかもしれません。

 

また、統計学というと反射的に「有意差検定」を連想する人も多いでしょうが、この検定がクセモノなのです。

 

たとえばある新薬による治療効果が偽薬(プラセボ)にくらべ高いということを云いたいがために臨床試験をするわけですが、その場合前提条件として、「新薬と偽薬の治療効果は等しい」という仮説を置くのです(帰無仮説といいます)。

 

そもそもこの時点で既にわかりにくいのですが、なぜ「差がある」と予想されるのにわざわざ可能性の少ない「2群に差がない」という仮説を設定するのでしょう。

 

そして、この等しいとなる確率が0.05以下で、極めてまれであるから、「新薬と偽薬の治療効果は等しい」という仮説が却下され、「有意差がある」という結論になるわけです。

 

ストレート、直球がシンプルでわかりやすい私たちにとって、このようなまわりくどい二重否定は、わかりにくくても仕方のないことです。

 

さらに、仮説検定の結果確率が0.2で「有意差が認められなかった」という場合は、有意差が否定されただけで「等しい」というわけではないのです。

 

また、サンプル数が膨大な場合は、ごく小さい差であっても「統計的に有意」となる場合があります。こういう話をすると、仮説検定って本当に意味あるのか、と思ってしまい、勉強するモチベーションすら低下してしまいます。

 

実際に私自身も、仮説検定は優れた手法だとは全く思っておらず、世の中でよく使われるから仕方なく使っているのです。

 

また、オッズ比というのは医療統計学でキーワードのように頻繁に出てきますが、オッズ自体が比なのでオッズ比は比の比なのです。

 

比にさらに比をとるということに違和感を抱く方も多いのではないかと思います。

 

あくまでこれらは例にすぎず、統計学がとっつきにくいと感じる面は他にもたくさんあります。

 

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