医療統計学:統計的変量

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医療統計学:統計的変量

 

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統計的変量

 

たとえば、自動車のブランドのような変量の場合には、まずトヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダ・・・といったカテゴリーを作ります。

 

次に各自動車をそのブランド名だけを見ることによって分類します。

 

あるいはカテゴリーに分けるといってもよいでしょう。

 

このように各個体がカテゴリーに分けられるような変量の場合には、それを質的変量(カテゴリー変量)と呼ぶことにします。

 

ただし、自動車のブランドのような質的変量は、とくに名義変量と呼ばれます。

 

これはその変量がとるさまざまな形態に対して名前をつけているところからきます。

 

それでは、上のリストに並べられた変量のうち、いずれが質的変量でしょうか。

 

自動車のタイプと色は、まちがいなく質的変量です。

 

どちらも買おうとしている自動車を調べ、それがどのカテゴリーに属しているかを決めます(それらは、もちろん名義変量でもあります)。

 

しかし、あなたは自動車の“状態”もまた質的変量だと考えたのではないでしょうか。

 

その通りです。状態についての3つのカテゴリーは、上で述べられたように“よい、普通、悪い”の3つでした。

 

しかしながら、この質的変量はやや性質の異なるものです。というのは、このカテゴリーは、ある自動車が他と比べてよりよいとか、悪いとかいう判断がくだしうるものです。

 

ある標本の個体に対して、それがよりよいとか、より大きいとか、より速いとか、あるいは何らかの意味で、他のものよりもある性質をより多くもっている場合には、それらを順に並べることができます。

 

つまり、上で述べたよい、普通、悪いというのは、順序のついたカテゴリーであり、それゆえこのような質的変量は、とくに順序変量を呼ばれます。

 

さて、現在中古店にちょうど10台の自動車が売られているとしましょう。

 

それらを“相対的状態”によって判断することにし、1番(最もよい状態の自動車)から10番(最も悪い状態の自動車)まで順番を付けることにします。

 

このように考えれば10個のカテゴリーを作ることとなり、それぞれにその標本中の個体が一つ一つ割り当てられます。

 

さてこのとき、この質的変量の種類は、

 

(a)名義変量

 

(b)順序変量

 

のいずれであろうか。

 

“相対的状態”は、順序変量です。

 

私たちは、標本の各個体がどれだけその性質を保有しているかを判断し、それに応じて順に並べなければなりません。

 

そうしてはじめて、それらに1番から10番まで順番を付けることができます。

 

しかし、ここで注意してほしいことは、自動車を3つのカテゴリーに分けることと、それらを1番から10番まで順に並べることの間には重要なちがいがあるということです。

 

さて、自動車をよりくわしく調べてみなければならないのは、どちらの方法をとった場合でしょうか。

 

そして個々の自動車の違いについて、より多くの情報をもたらすのは、どちらの方法でしょうか。

 

よりくわしく調べてみる必要があり、かつ個々の差についてより多くの情報をもたらすのは、“順位付け”の方です。

 

たとえば、もし3つのカテゴリーがあったとすれば、5番目と6番目の自動車をともに普通の部類にまとめて入れてしまうかもしれません。

 

しかし、順位付けをすれば、5番目と6番目のカテゴリーに分類される自動車の間にも、ちがいがあることがわかります。

 

さて、このほかにもあなたに知っておいてもらいたいいくつかのタイプの変量があります。

 

しかし、それらを述べる前に、順位付けにはいかにして数字が用いられているかに注意しましょう。

 

実際、数字は単に1番、2番、3番、4番というラベルとして使われているにすぎません。それゆえ、これらの数字に算術を施すことはできません。

 

たとえば4番と順番のついた自動車は2番の自動車より2倍悪いということができるでしょうか。

 

さらに、1番目と2番目の状態間のちがいは、3番目と4番目の間のちがいに等しいということができるでしょうか。

 

あなたは、もちろんこういった算術に意味があるとは考えなかったでしょう。

 

それらの数字は単に順位を示すにすぎず、各々が他のものと比べ、“どれだけよいか”を表すものではありません。

 

これは競争の順位のようなものです。

 

たとえば、最初の2人のランナーがほとんど同時にゴールに入り、その後、3番、4番、5番目の人は、数秒間遅れてゴールに入ります。さらに残りのランナーもそれぞれ、さまざまな時間間隔でゴールに入ることを想像すればよいわけです。

 

しかし、次に述べるタイプの変量では、数字の使われ方がまったく異なります。

 

実際、次のタイプでは、標本中の個体が数字を用いてしか表すことができないのです。

 

すなわち、ある個体がその特性に関して他のものといかにちがっているかを見るには、数えたり測ったりすることのできる“数量”を知らなければなりません。

 

自動車の例の場合には、“座席の数”が、このような変量に相当します。

 

それでは自動車を見て、それぞれいくつ座席があるかを考えてみましょう。5つでしょうか。7つでしょうか。あるいは2つでしょうか。

 

このような場合、数字は単なるラベルではありません。

 

4個の座席を持った自動車は2個の座席を持った自動車の2倍の座席を持っています。

 

もし、5個の座席を持った自動車と7個の座席を持った自動車を買ったとすれば、2つの自動車は合計12個の座席を持っています。

 

つまり座席の数は算術を施すことのできる数字(数量)です。

 

さて、自動車の変量を以下もう一度見てみましょう。

 

自動車のブランド
自動車のタイプ

製造されてからの年月
状態(よい、普通、悪い)
価格
排気量
座席の数

 

これらのうち、いずれが標本中の個体間のちがいを数量で表しうるものでしょうか。

 

自動車間のちがいを数量で表しうる変量といえば、座席の数のほかに製造されてからの年月、価格、排気量が考えられます。

 

ある自動車がいくつの座席を持っているかを考えたのとまったく同様にして、それが造られて何年たっているか、価格はいくらか、排気量はどれだけか等を考えることができます。

 

このような変量はすべて、私たちの知るべきものが数値や数量であるところから、量的変量と呼ばれています。

 

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