医療統計学をマスターするには努力が必要

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医療統計学をマスターするには努力が必要

 

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医療統計学をマスターするには努力が必要

 

医療統計学を教えていると、魔法のようにあらゆることを解決してくれる技術だからこれを1週間位で身につけたいと思っている方にときどき会います。

 

が、これは大きな間違いです。効率の良い、近道となる学習法はありますが、学問である以上、ある程度の時間をかけて努力する必要があります。

 

英語がしゃべれるようになるまでの努力に比べたら少ない努力で済みますが、それでもある程度の継続した学習が必要です。

 

私はよく医療統計の講習会で受講生に、「少なくとも200時間は勉強してください」と申し上げます。

 

いきなりこういうと引いてしまう方もいますが、これには根拠があります。といいますのは、統計学は学習時間に比例して理解していくものではないからです。

 

語学の学習では、概ね学習時間に比例して、語彙力が増えていくという面がありますが、統計学の場合は決して比例はしません。むしろバイ菌の繁殖のような指数関数的な挙動に近いのです。初心者には厳しい話かもしれませんが、50時間程度の勉強では、何もしないのと理解レベルは一緒なのです。

 

この期間は辛いですが我慢して這いつくばるように勉強しないといけません。この期間が耐えられなくて挫折して統計学が嫌いになる方が大半であるというのも事実です。

 

しかし、我慢して200時間勉強したあたりから、「3ヶ月前に勉強したことは、実はこういうことを言いたかったのか」といったある種の「気づき」が得られ、その後は理解が飛躍的に加速するのです。

 

例を挙げますと、検定、信頼区間、分散分析、回帰分析とそれぞれ勉強するのに20時間ずつ勉強するとします。全部で80時間、この間は確かに辛いですが、ここまで勉強すると、この4つは同じだったのだ、と思える時が来ます。

 

つまり、すべては一般化線形モデルの枠組みで説明できることに気がつき、面白い!と思えてきます。2群の差が有意であるということと、2群の差の信頼区間がゼロを横切らないということが同じことであることも容易に理解できるようになります。あらゆる疑問が心地よく氷解するような夢の世界が得られ、統計学が面白くなり、モチベーションも高まり、理解が本当に指数関数的に加速します。

 

200時間というのはあくまで目安ですが、初めての方にとってこの期間は底辺を這いつくばる辛い期間です。心が折れそうになることもあるでしょうが、是非それを乗り越えて頂きたいと願っています。

 

200時間とは、1日5時間の勉強を40日ということです。働いている方に1日5時間の勉強は無理ですから、土日を使うとしたら約半年ということになります。そう考えれば決して無理なことではないと思います。英語がしゃべれるまでマスターするのに比べたら楽なのではないでしょうか。

 

 

 

 

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