医療統計学における予測

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医療統計学における予測

 

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医療統計学における予測

 

             

 


ある地域で体重50kgの人の平均身長が150cm、体重70kgの人の平均身長が170cmという疫学データがあったとします。体重60kgの人の平均身長はいくらでしょう?

 

答えが160cmであることは誰でも予測がつくでしょう。大事なのは、この160cmというのは、あくまでも予測した架空の測定値であり、体重と身長が比例するという仮定が背後にあるということが重要です。これが、直線回帰分析という統計予測手法です。

 

この場合の予測値は回帰直線上の値です。回帰直線は、実測値と予測値の差の二乗の和(平方和)が最小になるように決められます(最小2乗法)。ここでは、平方和は(150−150)×(150−150)+(170−170)×(170−170)=0つまり最小値ということになります。

 

統計学ではよくモデルとか、モデリングという用語が使われます。

 

直訳すると、模型とか似顔絵などの意味になりますが、ニュアンスとしては、データに線をあてはめるとある種の典型的な関係性が得られ、説明しやすくなる、ということです。

 

身長データと体重データの関係を直線回帰モデルにあてはめると、身長がわかっていればその人の体重が、体重計で計らなくても予測ができる、つまりデータのない部分でもある程度予測がつくということです。

 

これは非常に大事なことで、予測することができれば、計る手間を省くことができるわけです。予測という機能は統計学の重要な機能の一つに位置づけられています。

 

なお、前に年齢と血圧の関係の例で述べたように、直線回帰分析は必ずしも全ての医療データにあてはまるとは限りません。

 

また、あてはまるとしてもその範囲は限られている場合が多いです。

 

言い換えると、統計予測手法を学ぶことは大事ですが、それを機械的にあてはめることは、特に医療統計学の世界では大変危険であるということになります。

 

余談ですが、株価の予測や天気の予測などにおいては、多変量回帰モデル、自己回帰モデルなど、もっと複雑なモデルが使われています。

 

⇒    統計学の全体像を掴む

 

 

 

 

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