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医療統計学における平均と標準偏差を知る

 

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医療統計学における平均と標準偏差を知る

 

             

 


よく、「ひと言で簡潔に説明しなさい」と言います。

 

頭が良い人であれば、詳しく説明した方がいい場合もあります。しかし多くの人は残念ながら頭は良くないと思った方がよいでしょう。

 

いささか厭世的であるがこれは事実です。私も後者の部類に入ります。理解力がないので、時間をかけて長々と説明する人にはイライラします。

 

例えば、ある病院の外来患者の年齢層は? と聞かれたらどう答えるでしょう。

 

今日の外来患者は、71歳が1名、28歳が2名、64歳が1名、・・・・・という感じで説明されたらどうでしょう。

 

全く問いの答えになっていないのではないでしょうか。

 

そこで、「平均年齢は50歳です」と答えたとしましょう。

 

確かにだらだらと説明されるよりはこのように説明されることで、患者の年齢が「どのへんの位置にあるか」が端的につかめるのでわかりやすいといえます。

 

全部足してその数で割った値、つまり平均値が、だいたいの値、代表値としてよく使われるのはよくご存知のことと思います。

 

全部説明するのが煩わしいから、平均値という代表値で集約することは確かに理にかなっています。

 

時間がない人にも平均値だけ説明すればピンとくることはあります。

 

平均(母平均)とは、分布の代表値の一つで、いってみれば分布の「位置」の指標です。

 

記述統計において、平均というのは最も重要な要約統計量なのです。

 

             

 

μとギリシャ文字で示しましたが、通常神のみぞ知る母集団のパラメータ(母数ともいう)はギリシャ文字で表されます。

 

母平均には通常μ、母標準偏差には通常σを使います。

 

平均というのは確かにひと言で説明するには便利です。

 

しかし、こんな場合はどうでしょうか。

 

Aという病院、Bという病院、いずれも外来患者の平均年齢は50歳です。

 

しかし、Aは多数の診療科を有する総合病院であるのに対し、Bは生活習慣病に関する診療科の多い病院で、Cは小児科と老年病科だけの病院であるとします。

 

平均はみな同じなので、これらの病院の違いを説明するためには、平均だけでは難しいのです。

 

また、C病院について、「平均年齢は50歳です」と答えても、C病院の特性を何も表現していないのではないでしょうか。

 

前置きが長くなってしまいましたが、この前置きはいわゆる記述統計の考え方の最も重要な部分に触れています。

 

記述統計の主たる役割は、

 

沢山ある数値をいかにしてわかりやすく情報を記述し、かつ情報をできるだけ損なわないようにするか

 

にあることを先ずしっかり念頭に置くことが大切です。

 

ただ機械的に、平均値の公式、標準偏差の公式などを覚えても何の意味もないのです。

 

今の病院の例をもう少し掘り下げてみましょう。

 

早い話が、以下のような散布図を見せて手早く説明できれば一番良いのです。

 

             

 

どうでしょう。このように図で示せば、A〜C病院の特性が一発でわかります。

 

しかも、個々の患者の年齢の情報も失っていません。要約統計量の平均値(50歳)も横棒で示されています。

 

この図は、Excelで作図することができます。散布図からは作れないので、マーカー付き折れ線を選択し、線を削除するという手間のかかる作業です。

 

私はExcelには手慣れている方ですがそれでも作成に30分かかりました。

 

それでも十分時間があれば、前日にこれを作成し翌日に報告することは可能です。

 

作るのは手間がかかるがこれがあれば説明は非常に楽です。

 

しかし、多くの医療従事者は忙しく時間がありません。

 

また、普段の会話では、手に紙と鉛筆すら持っていないことも多いです。

 

そのような場合は、しつこいようですが会話の中で、「ひと言で簡潔に説明する」必要があります。

 

平均50歳ですというひと言で各病院の特性を説明するのが難しければ、各病院の患者の分布のばらつきを説明すればよいのです。

 

⇒    ばらつきを説明する

 

 

 

 

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