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医療統計学:標準偏差と標準誤差
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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標準偏差と標準誤差
標準偏差と標準誤差はどう違うのでしょうか?
母集団から大きさnの標本を抽出して平均や分散などの統計量を算出します。
これは、通常1回しか行いませんが、これを何度も反復します(この、何度も反復という異常事態を想像できるかどうかが今後の理解の鍵となります)。
このとき、統計量の変動を度数分布として表したものが標本分布です。
標本平均の分布は、正規分布にしたがいます(中心極限定理)。
標準誤差(正確には標本平均の標準誤差)とは、その標本分布の標準偏差を指します。
標準誤差は母数推定値の精度を表す
標準誤差が小さいということは、標本統計量の実現値(観測して実際に得られる値)が母数の近くにちらばることを意味します。
もちろん、調査や実験では限られた数の標本から母数を推定するのですから、標準誤差が小さくても、運悪く母数から離れた推定値を得てしまうこともあります。
しかし、標準誤差が小さくなるように調査や実験を計画しておけば、母数に近い推定値を得る可能性が高くなります。
標準誤差を用いて母数の信頼区間を計算する
標準誤差の大きさを用いて、正規分布に従うデータの母平均の100(1−α)%の信頼区間を作ることができます。
100(1−α)%の信頼区間というのは、標本の大きさを固定して同じように信頼区間を構成すれば、100回のうち、(1−α)×100回程度はその区間の中に母平均が入っているだろうとする区間です。
上の例でいえば、95%信頼区間とは標本の構成する信頼区間の20回のうち19回はその区間に母平均が入る、20回のうち1回は赤のバーのように母平均が入らない、という意味です。
95%信頼区間は標準誤差から計算できます。すなわち、
平均値−1.96×標準誤差≦μ≦平均値+1.96×標準誤差
が信頼区間となります。1.96は、信頼区間を95%にするための係数で、標準正規分布で上側面積が2.5%となる正規偏差zの値です。
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