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医療統計学:t検定の前提条件1
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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t検定の前提条件1
2群の標本の大きさが非常に違うときでも、普通のt検定をしてもよいのでしょうか?
統計理論上は何ら問題はありません。その場合用いられるt検定は、あらゆる標本の大きさに対しても有効な手法です。
しかし、両群の合計のデータ数が一定という条件の下では、各々の群で同じ数だけのデータをとった場合が検定力が最も高い、すなわち帰無仮説を棄却する上でもっとも効率がよいことが示されます。
したがって、なるべく両群でのデータ数を同じにするよう努力することが望まれます。
また、片方の群の標本の大きさがきわめて大きいのは、両群の扱いに違いがあるためではないかとも考えられます。
たとえば疫学調査などで、片方が患者群、もう一方が健常者群の場合、あるいは、片方が新しくとられたデータ群、もう一方が背景データ群(過去の実験によって得られたデータの集まり)といった場合には標本数のインバランスが生じます。
一般に、その研究が実験であるか観察であるかによらず、比較の際には、両群間で比較目的となる処置や条件の違い以外のすべての条件は均一にしておく必要があります。
均一にすることが難しい場合でも、予期せぬ偏りが生じないように、たとえば被験者の選択を無作為化するといったような工夫が必要となります。
標本の大きさが極端に違う場合には、比較の前提となる条件の均一化がなされていない可能性があります。
検定法を正しく使うには、その検定を実施するための前提条件について吟味する必要があります。
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