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医療統計学的論文の読み方:コホート研究
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医療統計学的論文の読み方:コホート研究
コホート研究は「患者に何が起きるのか」を知るために用いられます。
たとえば,コホート研究を用いることにより,急性の背痛の患者が回復するのにどのくらいの期間がかかるかを調べたり,また,消化性潰瘍の自然史を観察したりすることができます。
トピックが何であれ,個々人からなるグループを同定し,どんなできごとがそのグループに生じるかを調べるために観察を行ないます。
コホート研究は,統制群あるいは比較群を含むこともあります。
これらのグループを,ほぼ同じ時点で同定し,およそ同じ期間.追跡調査をします。
ただし,統制群をもつことはコホート研究の本質的な特徴ではなく,多くのコホート研究は統制群をもたないことが多いです。
コホート研究の本質的な特徴は,時間という要素であり,コホート研究において時間は前向きに経過します。
一群の個々人をある時点で同定し,彼らに何が生じるかを確定するために, その後のある時点まで追跡を行ないます。
時間の方向はつねに前向きです。
個人をある時点で選択し、彼らがそれ以前にどうであったかを知るために過去に向かってさかのぼる研究はコホート研究ではありません。
コホート研究とは、一群の患者を同定し.未来に向かって彼らを追跡調査する研究であると思われがちです。
しかし、過去のある時点で一群の患者を同定し,現在に向かって彼らを追跡調査するコホート研究もあります。
このような研究は,一見時間を逆向きに進んでいるように思われますが.そうではありません。
このような研究において,時間は患者が同定された時点から将来へと向かっているのです。
コホートという用語は,臨床試験においてもときどき用いられてはいますが,コホート研究を見分けるのに使われるべきです。
プロスペクティブ(前向き)、フォローアップ(追跡調査)、そしてアウ卜カム(結果)という用語についても同様です。
レ卜ロスぺクティブ(後ろ向きという用語は過去のある一時点で一群の患者を同定するコホート研究に使用できます。ただし,この用語はケースコントロール研究にも使われています。
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