医療統計学をわかりやすく解説

ケースコントロール研究では， 何らかの病気に罹患している個体群について，その病気の原因を探求することが多いです。

治療についていくことができなかったり，病院の予約を守れなかったりする個体群について研究するケースコントロール研究もあります。

ケースコントロール研究の本質的な特徴は，確定診断された病気（たとえば乳がんの女性）をもっていたり.胸部検査を受けなかったりといった特徴をもつ患者たちを選択し，その人たちの特性を.これらの特徴をもたない（が、しばしば年齢・性別・背景が似ている）統制群の特性と比較します。

ケースコントロール研究は、時間の要素をもちます。

過去の事象を振り返り，現在の病気が，過去の事象によって引き起こされたのかどうかを調べます。

コホート研究とケースコントロール研究を区別するには，時間の方向性が重要です。

コホート研究は未来を見、ケースコントロール研究は過去を見ます。

ケースコントロ一ル研究を見分けるためのキーワードには，ケースコントロールの他，ケース参照、ケースコンパレーター、ケース比較など，他にもいくつかあります。

臨床試験にも統制群があり，コホート研究にもしばしば統制群があるので，統制群が存在しているというのはケースコントロール研究の決定的な特徴ではありません。

ケース.コントロール研究は，時間を逆向きに見るため、ときどき後ろ向き（レトロスぺクティブ）研究とも呼ばれますが、この用語はコホート研究にも使われます。