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医療統計学:ポケモンの視聴率
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ポケモンの視聴率
1997年12月16日に、人気アニメ「ポケットモンスター(ポケモン)」を見て、体調に異常を訴えた子どもたちが出たときの視聴率は16.5%でした。
そして、翌年の4月16日に再開されたときの視聴率は16.2%で、わずかに下回ったという記事が新聞に載っていました。
確かに数字だけ見ると0.3%下がっていますが、実際にポケモンを見た人の数が、事故の影響を受けて少なくなったと判断してよいのでしょうか。
もちろん視聴率はテレビを持っている全ての世帯からデータを集めているわけではありません。そのようなことをしていたら、膨大な時間と費用がかかってしまいます。
そこで、出来るだけランダムに数百世帯を選び出し、視聴率を算出することになります。しかし、所詮は限られた数から全体を推測するために誤差が生じてしまいます。
したがって、問題はその誤差をどのくらいと考えたらよいのか、ということになります。
もしその誤差の中に先ほどの0.3%の差が入っているのならば、下がったという事実は、それほど意味のある情報とはいえないことになります。
つまり誤差まで考えたら、事故が起こったときの視聴率と再開時の視聴率は、差があると判断できないことになるわけです。
むしろ良心的に記事を書こうとすると、「統計的に見ると視聴率に差があるとはいえなかった」となります。
近い将来、新聞記事を書く人と読者の統計的知識のレベルがともに上がれば、このような書き方が常識となる日が来るかもしれません。
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