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統計学と医療経済学:公共サービス
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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公共サービス
公共サービスとは、社会にとって必要不可欠ですが、「非競合性」または「非排除性」によりマーケットでは供給が不足するため、国など(国、都道府県、市区町村など)が供給するサービスです。
国防や外交が代表例です。
「非競合性」とは、利用者が増えても追加的な費用が発生しないという性質です。
「非排除性」とは、対価を支払わない者を排除できないという性質です。
なぜマーケットでは供給が不足するかというと、「フリーライダー」(ただ乗りをする者)がどうしても出てくるからです。
「フリーライダー」とは、サービスの性質から、誰がどれだけ利用して、費用を負担すべきか特定できない場合、できるだけ、ただでサービスを利用しようとする者です。
そういう意味では、医療サービスそのものは「公共サービス」ではありません。利用者が増えれば費用も増えますし、物理的には、対価を支払わない患者を排除できます。
しかし、医療費が支払えずに、診療を受けられない人を放置してよいのかという問題があります。
それは社会不安にもつながります。
社会不安を払拭するためには、社会保障としての「医療サービス」が必要になってきます。
医療費が支払えない人への対応は、国によって制度が異なります。
もし、国や国民が「放置すべきではない」と判断するならば、医療費が支払えない人にも医療サービスが供給されるようにして、国民全体が社会不安解消というメリットを受ける見返りに、その費用を負担することになります。
本来、このようなサービスの需給もマーケットで行われるべきですが、マーケットでは、「非競合性」または「非排除性」のために「フリーライダー」が出てきて、供給が不足します。
そのため、国が関与して供給不足を補います。
これが、「公共サービス」(社会保障、セーフティーネット)としての医療サービスです。
日本では、「国民皆保険・フリーアクセス」などの制度が導入されているので、概して、医療サービスは公共サービスとしての面が強いといえます。
もちろん、窓口での患者の自己負担もありますので、完全な「公共サービス」ではありません。
ちなみに、公衆衛生は、もとより「公共サービス」として位置づけられます。
公衆衛生には、強制的に医療を受けさせる制度があります。
たとえば、新型インフルエンザの場合などでは、強制的に隔離、診療を受けさせることがあります。
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