統計学と医療経済学:供給面の性格1

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統計学と医療経済学:供給面の性格1

 

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供給面の性格1

 

国によって決められる診療報酬

 

診療報酬とは、病院などの保険医療機関などが、行った医療サービスの対価として受け取る報酬のことです。

 

これは、医療保険制度を前提にした医療サービスの価格ですが、一般には、広く医療サービスの価格を「診療報酬」と総称します。

 

日本では、「診療報酬」は基本的に国によって決められています。

 

ところで、「診療報酬」の決定は、なぜ、マーケットに委ねられず、国によって行われるのでしょうか。

 

「診療報酬」がマーケットで決定されるとすると、以下の問題が生じるからだと考えられます。

 

主に、需要量に対して供給量を維持すること(病院の経営が成り立つようにすること)、患者(健康保険組合などの医療保険者)にとって適正な価格を確保することが目的だといえるでしょう。

 

 

情報の非対称性

 

情報の非対称性があると、患者は、治療法の選択が正当にできません。逆選択(逆に不利なものを選択してしまうこと)が生じる可能性もあります。

 

たとえば、ある病院で、ある治療法に100万円かかるといわれても、その治療法を選択すべきかどうか、患者は判断できません。

 

他の病院の同じ治療法の価格(費用)、他の治療法の価格などの情報を十分には持っていないからです。

 

そのため、価格が仮にマーケットで決定されるとすると、患者にとって適正な水準を上回ったり、逆に、病院の経営が成り立つ水準を下回ったりする可能性があります。

 

診療報酬は、費用の実態を把握し、病院の経営が成り立つ(需要量に対して供給量が維持される)水準としても、「情報の非対称性」をカバーするものです。

 

また、ある病院である治療法を勧められても、その治療法を選択すべきかどうか、患者はよく判断できません。自らにとっての効果(適合性)、他の治療法などの情報を十分には持っていないからです。

 

そのため、患者にとって不適切または過剰な診療が行われたり(誘発)、逆に、病院が適切な治療を行えなかったりする可能性があります。

 

診療報酬は、単に価格だけでなく、どのようなケースに適用が認められるかという点も規定しているところに意義があります。

 

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⇒    供給面の性格2

 


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