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統計学と医療経済学:生産要素の完全補完性
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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生産要素の完全補完性
生産要素とは、原材料や社員・土地・設備などの生産に必要な要素です。
生産者(企業)は、これらの要素を組み合わせて生産を行うのですが、一般には、ある予算において、生産要素の価格のもと、技術などに応じて最も産出量が大きい組み合わせを決めます。
企業は、製品(生産物)のマーケットに対峙するときは、予算を変動させ、利益が最大になるように、製品の価格=限界費用のところで生産量を決めます。
その際は、逆に、生産要素の価格のもと、技術などに応じて、同じ産出量で最も低い費用になるような生産要素の組み合わせとすることが必要になります。
ところが、ある生産要素について、他の、ある生産要素との間に代替関係がなく、完全に補完関係にある場合、同じ産出量を可能にする生産要素の組み合わせは複数あるものの、そのなかで最も低い費用になる組み合わせは、生産要素の価格に関係なく、ひとつしかありません。
逆に、それ以上、どちらの生産要素を増やしても産出量は増えません。この関係を「生産要素の完全補完性」といいます。
たとえるならば、左足の靴と右足の靴の関係です。
医療サービスの場合、医師などの生産要素と他の生産要素との関係には「生産要素の完全補完性」があります。
医療サービスの場合、まず、医師などの専門職の生産要素と他の生産要素との間には、「生産要素の完全補完性」があります。
たとえば、事務職は医師の代わりにはなりませんし、医師は現実として臨床検査技師の代わりになりません。
法的にも代替ができない面があります。
こうしたことは、多かれ少なかれ一般の企業にもありますが、病院は、ある意味、特に専門家集団なので、それが顕著だということです。
これはチーム医療の根拠になります。医療サービスを産出するにあたっては、医師や看護師など、代替のきかない生産要素が必ず何名かずつは不可欠であるということです。
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⇒ 医師の優先性
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