統計学と医療経済学:企業のインプットの行動4

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統計学と医療経済学:企業のインプットの行動4

 

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企業のインプットの行動4

 

産出量の最大化の条件

 

このように、企業(生産者)の技術により適合した生産要素を選ぶにせよ、自らの産出量を最大にするためには、生産要素の投入量は多いに越したことはありません。

 

しかし、実際には予算の制約があります。予算を超えて生産要素を投入することはできません。

 

ここで、自らの産出量を最大にするための条件がふたつ浮かび上がってきます。

 

@予算の範囲内であること

 

Aより大きい産出量の組み合わせであること

 

それでは、企業はどの組み合わせで選ぶのでしょうか。社員とパソコンの例でみていきます。

 

まず@の場合:

 

予算=(社員のq)×(社員の人数)+(パソコンのq)×(パソコンの台数)

 

という条件式になります(qは価格。実際には給与と減価償却)。

 

予算は使い切るという前提です。

 

次にAの場合:

 

最も産出量が大きい点は、同じ産出量の組み合わせをつないだ線と接する点です。

 

なぜなら、それより大きい産出量の線とは接しませんし、それより小さい産出量の線とは交わるからです。

 

予算の制約を示すAの線上では、

 

(社員のq)×(減らした社員の数)=(パソコンのq)×(増やしたパソコンの台数)

 

が成り立っています。つまり、

 

(減らした社員の数)/(増やしたパソコンの台数)=(パソコンのq)/(社員のq)

 

が成り立っています。

 

一方、同じ産出量の組み合わせをつないだ線上では、次の式が成り立っています。

 

(減らした社員の数)/(増やしたパソコンの台数)=(パソコンのMP)/(社員のMP)

 

同じ産出量の組み合わせをつないだ線と接する点とは、

 

(減らした社員数)÷(増やしたパソコン台数)が一致する点ですから、

 

(社員のMP)/(パソコンのMP)=(社員のq)/(パソコンのq)

 

となる点です。

 

限られた予算の中で、この式が満たされる点が選ばれるわけです。

 

なお、現実には、原材料の共同購入などによって生産要素の価格は変化しますが、その場合には別の生産要素とみなされます。

 

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