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統計学と医療経済学:企業のアウトプットの行動8
企業のアウトプットの行動8
産業均衡
供給量以外の要因で、価格が変化することがあります。
それは既に、供給曲線(規模調整前、産業均衡前)のシフトによって説明しました。
以下では、そのような供給曲線のシフト要因のひとつとして、価格下落を生じさせるような産業への企業の新たな参入・撤退を考えてみます。
利益がある限り、産業への企業の新たな参入が行われ、赤字がある限り、産業からの企業の新たな撤退が行われます。
マーケットはp=MCで均衡しているものの、さらに新規の参入・撤退があるということです。
企業の新たな参入・撤退を供給曲線のシフトとして捉える場合、利益がある状態で、企業の新たな参入が行われると、社会全体の供給曲線が右にシフトして価格が下落します。
それは、価格の需給反映機能がはたらくことです。
その価格で企業は生産量・供給量を新たに決めますが、それでもまだ利益があれば、さらに企業の新たな参入が行われます。
企業の新たな参入と価格の下落は、利益がなくなるところまで続きます。
逆に、赤字がある状態で、企業の新たな撤退が行われると、社会全体の供給曲線が左にシフトして価格が上昇します。
その価格で企業は生産量・供給量を新たに決めますが、それでもまだ赤字があれば、さらに企業の新たな撤退が行われます。
企業の新たな撤退と価格の上昇は、赤字がなくなるところまで続きます。
最終的に、以下の状態に均衡します。これが、「産業均衡」と呼ばれるものです。
規模の調整前であれば、すべての企業について、p=MC=AC
規模の調整後であれば、すべての企業について、p=LMC=LAC
この場合は線でなく、点で表現されます。
産業均衡後の参入・撤退
産業均衡後(規模の調整後)も、需要が増えれば、新たな企業の参入・撤退があります。
各企業の供給曲線は、点(p=LMC=LAC)で表現され、それ以上の変化もありませんので、需要量に応じてp=LMC=LACである企業が参入・撤退するだけです。
したがって、社会全体の供給曲線は水平になります。
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