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統計学と医療経済学:完全補完のケース
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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完全補完のケース
いま、治療法に完全補完性があるとします。患者(消費者)は、治療法を組み合わせて受療(消費)を行います。
ある治療法と他の、ある治療法との間に代替関係はなく、完全な補完関係がある場合、同じ満足度(効用)を可能にする組み合わせは複数あります。
そのなかで最も低い費用になる組み合わせは、治療法の価格に関係なく、ひとつしかありません。
逆に、それ以上どちらの治療法を増やしても満足度は増えません。
いま、治療法Mと治療法Nの間には代替関係がなく、完全な補完関係があるとします。
同じ満足度を可能にする組み合わせは複数あるものの、そのなかで最も低い費用になる組み合わせは、価格(診療報酬)に関係なく、ひとつしかありません。
逆に、それ以上治療法Mまたは治療法Nを増やしても満足度は増えません。
それでは、治療法Mと治療法Nが目の前にあって、どちらを選んでもよいとします。
皆さんでしたら、どのような組み合わせで選ぶでしょうか。
同じ満足度を得られる組み合わせを考えてみます。
まず、治療法M5回と治療法N5回からはじめてみましょう。
治療法Mを1回減らしたとき、同じ満足度を維持するために、治療法Nをどれだけ増やしたらよいかみてみます。
ところが、どんなに治療法Nを増やしても同じ満足度は維持できません。
一方、治療法M5回と治療法N5回の組み合わせで、治療法Mを増やしても同じ満足度になります。
つまり、以下の組み合わせはすべて同じ満足度になります。
治療法M5回と治療法N7回
治療法M5回と治療法N6回
治療法M5回と治療法N5回
治療法M6回と治療法N5回
治療法M7回と治療法N5回
言い換えれば、治療法Mと治療法Nの限界代替率はゼロということになります。
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