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統計学と医療経済学:企業のアウトプットの行動6
医療統計学、医療経済学、数学のつぼをたとえ話でわかりやすく解説
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企業のアウトプットの行動6
規模を変えるとき
規模を変えるとき(規模の調整といいます)は、すべての生産要素が変化しますので、固定費用の生産要素も変化します。
固定費用と変動費用の区別がなくなります。
規模の拡大にともない、限界生産力が、最初は逓増し、ある一点から逓減します。
規模の拡大にともない、「規模の調整による限界費用」(Long-run Marginal Cost)は最初は逓減し、ある一点から逓増します。
規模の調整による平均費用をLAC(Long-run Average Cost)といいます。
LACは、過去分があることから、LMCが逓増してからもしばらく逓減し、その後、逓増に転じます。
ここで、缶ビールを生産・供給(販売)している企業を想定します。
たとえば、規模を1%拡大することで、新たに得られる収入(p×新たに増える供給量)が200万円、新たに増える費用が190万円ならば、規模を1%拡大することで10万円利益がありますので、企業は規模を拡大します。
もう1%規模を拡大することで、新たに得られる収入は200万円、新たに増える費用が195万円ならば、規模をもう1%拡大することで、5万円利益がありますので、企業は規模を拡大します。
ところが、さらにも1%規模を拡大することで、新たに得られる収入が200万円、新たに増える費用が205万円ならば、規模をもう1%拡大することで5万円損失がありますので、企業は規模を拡大しません。
このように、
価格(p)=規模の調整による限界費用(LMC)
のところまで、規模を拡大するわけです。これが、「規模の調整」による利益最大化の条件です(産出量最大化=費用最小化の条件は満たしているとの前提です)。
LACが逓減している状況は「規模の利益」と呼ばれます。
LACが最低になる規模は「最適規模」と呼ばれ、LAC=LMCの点でもあります。
このような条件は、pや(L)MC(材料費・人件費や技術・経営力)によって決められますが、材料費・人件費や技術・経営力が所与とすれば、p、つまり、個人(消費者)の需要によって決められるわけです。
そういう意味では、個人は選ぶ側、企業は選ばれる側にあります。
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